展示物

33 柚木沙弥郎 芭蕉布着物 1974年

 1922年東京都で生まれた柚木沙弥郎は、柳宗悦の『工藝の道』と芹沢銈介の型染カレンダーに感銘を受け、染色家を志します。
 本作品は、当館が開館して間もなく経った1974年に制作されました。生地には沖縄県や奄美諸島で織られてきた芭蕉布を用い、バキュームにより染液を浸透させる注染という技法で模様を染めています。生命力にあふれた模様と鮮やかな色彩が特色の柚木の作品は、時に繊細に、時にユーモラスに、見る者の想像力を刺激します。芭蕉布の原始的な力強さと、大胆な配色、リズムすら感じさせる生き生きとした模様が見事に響きあった本作品もまた、見る者に様々なイメージを想起させるでしょう。

PAGE TOP