展示物

21. 飴釉押紋型丸鉢 (1983年)

 出西窯において多々納弘光は、石膏型を用いて成形する型物の製作を担っていた。
 型成形は一般に、円形以外のものを作る際に利用され、同じ形を大量に作るのに適した技法である。本作品のような正円形の器は、本来ならば轆轤成形が得意としているが、多々納はあえて型成形によって製作している。また、内側の三日月状の連続模様は、柄杓を加工した道具を自作して装飾している。弘光氏の型物へのこだわりと共に、一つの型から無限のバリエーションを生み出していく多々納弘光作品の魅力をうかがう事ができる作品だ。

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