春季特別展(終了いたしました)
『現代の染織
- 暮らしの美を求めて』
出品協力:上村正美・染織コレクション
併陳:上村コレクションより、現代陶芸作家作品約70点も併せて展示しております。
2007年3月17日(土)〜7月8日(日)
■作家一覧■
池田リサ・石川仙三・石黒洋子・上村美奈・大澤美樹子・大島郁・太田さえ子・大槻圭子・小原瑩子・片野元彦(1899-1975)・片野かほり・上條きよ子・小岩井雅代・小島悳次郎(1912-1996)・小島貞二・斎藤光司・清水明子・志村ふくみ・田島隆夫(1926-1996)・立花長子・長沼孝一(1922-1985)・広瀬佐与子・古澤万千子・本郷大二(1913-2004)・松浦佐和子・松尾鏡子・森田京子・柳悦孝(1911-2003)・柳悦博(1917-1995)・柳榮枝・山崎久子・柚木沙弥郎・四本貴資・綿貫倫子
(敬称略・五十音順)
■用の美をめざす作家達■
昨春の当館特別展「沖縄の染織 - 今に息づく伝統の美」で初公開した上村コレクションによる沖縄織物の美しさは観るものに深い感動を与え、大変好評を博しました。今回は、同コレクションから、柚木沙弥郎や古澤万千子、そして故人となった柳悦孝、柳悦博、片野元彦、小島悳次郎ら、独自の創作活動を展開してきた30余名の現代染織作家達による約100点の作品を一堂に展観します。
優れた美意識に貫かれた質の高い工芸の蒐集家として知られる上村正美氏は、傍ら民藝店「魚座」の主人として長年、自らさまざまな分野の工芸作家の作品を独自の目で選択し、作品展を開催することで、作り手と使い手の橋わたしをしてきました。今展で紹介する染・織の仕事は、昭和40年代から50年代半ばに「魚座」が主催した染織作品展に制作出品され、上村染織コレクションに加えられていった作品群から精選した優品の数々です。出品作家の多くは国画会工芸部に所属し、今も大いに活躍しています。
「用の美を根底に、素材にこだわり、彩り鮮やかに、暮らしの中で使える美しい布」---民藝店主人と作り手が一体となって、ものづくりへの共通の思いを染・織に紡いだ多彩な手仕事---織り、染め、絞りなど多岐にわたる染織分野ですでに確かな足跡を印した作家達の、創作活動の原点ともいえる瑞々しい感性に溢れた今回の作品との出会いをお楽しみ下さい。
■私の仕事■ 柚木沙弥郎
私の仕事の基本は型染である。型染は模様を型紙に刻み、防染糊を置いて染める。師芹沢_介は染めものは染まったところと染まらないところのかね合いだと言った。私の仕事の原点はこの両者のバランスだと思っている。型染のもつ簡明直截な性格は私にとって、もっとも性に合う表現手段なのである。説明はできるだけ省略したい。わかるか、わからないか、より感じがあるか、感じがないか、の方が遥かに大切なことなのだ。
布を染めることは布という素材のもつ働きとか性情を充分に発揮させ、更にそれが美しく見えるように、つまり布がどのような使われ方をする時も引き立つように化粧することだと考えている。
私の仕事は仕事のプロセスの中で考える。考えながら作業を続ける。始めの原案は最終の段階で全く変わってしまうこともあり得る。一工程ごとに精彩が増してゆくのを見る時は私の一番昂揚する一時である。
坂本善三美術館編集図録「柚木沙弥郎展」より
■国画会 工芸部の誕生
前身は1918年(大正7年)文展から自由な制作と発表の場を求めて、村上華岳、土田麦僊らの結成した「国画創作協会」。1925年(大正14年)梅原龍三郎、川島理一郎を迎え洋画部を新設。1927年(昭和2年)梅原龍三郎の薦めで富本憲吉が会員として迎えられ、工芸部を新設。1928年(昭和3年)国画創作協会の解散に伴い、洋画部を「国画会」と改称し、絵画、彫刻、工芸の3部門を以って再度発足。濱田庄司、バーナード・リーチを会員に迎え工芸部の基礎を確立。民芸運動の指導者、柳宗悦をはじめ、河井寛次郎、芹沢_介、柳悦孝、舩木道忠、棟方志功ら民芸運動の作家達が工芸部に加わり、その活動は今も続いている。
* 芹沢_介(せりざわけいすけ)の「けい」は、「金」へんに「圭」の字です。Macintosh、また一部の機種では表示されません。
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